飲食店を開くための許可とは?法律上の手続と流れを解説。
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レストラン、パン屋やケーキ屋などの飲食店や菓子店を開く場合、都道府県知事の許可をもらう必要があります 1。食べ物を扱う場所ですから、衛生的な施設と専門知識を持った人がなければ食中毒などが起こる危険があります。ですから開店前に審査して、きちんとした施設だけが営業できるようにしているのです。
もし無許可で飲食店営業をすると、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はその両方が科されてしまいます 2。
どのような手続で飲食業の許可を取ればいいのか、おおまかな流れを解説します。
目次
許可申請手続の流れ
物件を決める
まず飲食店において重要なのは出店場所です。立地は売上を左右する大きな要素であるだけでなく、飲食店を開くことができない場所もあります。
市区町村が「ここは住宅専用地」「ここは工場を建ててもいい地域」など土地の使い方を決めている場所があり、これを「用途地域」といいます 3。
用途地域のなかには、飲食店を建築できない地域や種類・面積が制限されている地域があります。
購入した物件が飲食店営業不可であればせっかくの苦労が水の泡になるので、契約前に物件の場所が用途地域かどうか確認する必要があります。
用途地域については別稿で改めて解説予定です。
参考:国土交通省「みんなで進めるまちづくりの話」(4に用途地域の説明があります)
内装工事前に保健所に相談に行く
物件を決めてもそのまま使用するのではなく、何らかの内装工事を行う場合が多いと思いますが、内装工事を行う前に物件の図面を持って保健所へ相談に行きます。
物件が、飲食業許可の基準に合致するか確認し、適合させるために必要な工事についてアドバイスを受けるためです。
「以前に飲食店が入っていた物件であれば相談しなくてもいいのでは?」と思うかもしれませんが、以前の店主が改造していたり基準が変更になっていたりすることもあるので、相談に行くことを勧めます。
相談先は、物件のある住所を担当(管轄)する保健所です。住所によっては都道府県ではなく市区の保健所が担当ということもあります。自分で手続する場合は、インターネットや電話で担当を調べておくといいでしょう。
施設基準に適合する内装の計画を立ててから、内装工事に着工します。
許可申請の書類を作成・提出する
内装工事を進めながら、許可申請のための書類の準備・作成もしておきます。
必要な書類は都道府県や市町村によって異なりますが、
・飲食業許可の申請書
・食品衛生責任者設置届出書(許可申請書と同じ用紙であることもあります)
・営業設備の大要(設備・構造を記載)
・営業設備(店舗)の平面図
・食品衛生責任者の資格を証明する書類
・水質検査成績書(井戸水・貯水槽の水を使用する場合)
・登記簿謄本(会社など法人が申請する場合)
等の書類が必要となります。
加えて、申請手数料(自治体や許可の種類によって金額は異なります)も必要です。
後述の現地審査希望日の1週間~10日前を目安に担当の保健所に申請書類を提出します。現地審査は内装工事完了後に行いますから、工事完成10日前を目標に準備しておくといいでしょう。
現地審査を受ける
工事完成後の施設の現地審査が行われます。施設が食品衛生基準に合致しているかどうか、施設の責任者立会いのもとで保健所の職員が調査を行うのです。
もし不備があれば設備の改修工事を行い合格するまで現地審査を受けなければなりません。
許可証の交付を受けて営業開始
現地審査で設備に問題がないことが確認されたなら、審査から3日~1週間前後で許可証の交付を受けることができます。保健所で受け取りますが、印鑑が必要なことも多いので忘れないようにしましょう。許可証をもらうまでは飲食店の営業をすることはできません 4。
許可証を受け取ったならば、いよいよ営業を始めることができます。手続お疲れさまでした!そして、ここからが飲食業の本番スタートです!
手続に時間を使いたくない方へ
飲食業を始めるときには、上記の許可申請手続のほかにも、お店のコンセプトを決めたり店舗デザインを考えたりスタッフや資金調達の確保をしたりとやるべきことは山ほどあります。
しかも、許可申請手続のやり方を覚えても、開店後のお店の利益アップに貢献することはほとんどないでしょう。
とにかく早く手続がしたい、営業活動に専念したい、開店準備の忙しい時期に何度も保健所に足を運んで書類や図面を書くのは時間がもったいない……という方のために、行政書士が許可申請手続を代行いたします。
【対応エリア】岡山市・玉野市(岡山県・香川県内の近隣地域も応じます)
初回相談・お見積りは無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。